第5話 守る者

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第5話 守る者

「どちら様でしょうか?」 ドアを開けると、なんと魔物が入ってきた。 「うわ!?なにしに来た!」 すぐさま構えに入った。 だが、攻撃はこなかった。 「あれ?」 よく見ると、魔物達は、傷だらけだった。 仲間の傷を癒している者もいる。 「これは、助けた方がいいのか?」 「はい、その通りです。」 「やっぱね……  で?具体的には?」 「ベットで寝かせたらいいでしょう。」 「それだけでいいのか?」 「はい、では頑張って下さい。」 仕方ない……部屋まで運ぶか。 持とうとした時、 「ガルルッ!」 「うおっ!危ねぇ。」 危うく噛まれるところだった…… よく見ると、家族のように、守っているようにも見える。 そうか、魔物にも家族は、あるのか…… 「大丈夫だ。僕は、君達を助けたい。  どうか、わかったくれ。」 言葉は通じないと思うが…… 「クルル。」 お。落ち着いたみたいだ。 「よし、じゃあ部屋まで運ぶぞ。」 魔物達を担ぎ、部屋へ送った。 「よし、これでOKだな。」 安心して、ロビーへ向かうと、 「おい、ここに魔物がいなかったか?」 「え!?勇者様!?」 マズイ、ばれたら絶対あの子達は、殺される… 何とか誤魔化さなくちゃ。 「いえ、見てませんけど。」 「そうか……」 大丈夫かな? 「嘘をつくな、奥から気配を感じるぞ。」 「え!?」 ヤバいぞ……どうしよう…… 「そこをどいてくれ。」 「断る。」 「何故?」 「あいつらは、俺の客だ。  どうするかは、この店主が決める!」 「ほう、そうか。」 俺は、できる限りの殺気をだした。 (勇者目線) なんだ!?この禍々しいオーラは! まるでこの宿全体が彼の魔力のようだ…… ヤバいぞ、こんな奴に勝てる気がしない…… 「わしもそう思うでごわす。」 小声でそう言ってきた。 「彼の力は、尋常じゃないでごわす。  宿屋の店主が放っていいレベルじゃない  ほどの殺気……これは、マズイでごわす。」 クソッ!俺は、宿屋の店主よりも弱いってのか!! 「クソッ!特訓だ!」 「えー……」 勇者達は、宿を出ていった。 ひとまず安心なのかな? 「スゴいですね、店主さん。  勇者達を、倒しましたよ。」 「いやこれは、戦いなのか?」 意味不明のまま、夜が明けた。
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