君が最初にくれたものは僕にとって 何にも変え難いものだった

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君が最初にくれたものは僕にとって 何にも変え難いものだった

ピロン。 (蓮君これからよろしく!) 可愛い猫がお辞儀してるスタンプとともにその文が送られてきた。 (よろしく。) (早速だけど、まず蓮君は1番何がしたい?) (友達と遊んだり買い物とか...?あと図書館で友達と一緒に勉強をしてみたい。あと、小さい頃に見たっきりの打ち上げ花火とか...) (おぉ〜。いいね!青春って感じ!じゃあ今週の日曜日○○駅前集合で、ショッピングしよ!) (了解。) そして、日曜日当日。 僕は予定より15分前に着いた。沢山の人が行き交っている。川の流れに逆らわない小石達のようだ。当然、まだ彼女は居なかった。スマホを見て暇を潰していたとき2人の女性に話しかけられた。 「ねぇねぇ君。私達とお茶でもしない?」 「大丈夫です。待ち合わせをしているので。」 「そんな冷たいこと言わないでさ〜!ねっ?」 「いや、そう言われましても...」 困った。音羽早く来ないかな... そう思っていると横から音羽がスっと出てきてこう言い放った。 「あの、すみません。これからこの人と...彼氏と 予定があるので。退いて貰えませんか?」 「え...?彼氏...?僕...」 シッ。と音羽が僕の口に指をおいた。 「あら...!ごめんなさいね。それじゃあ私たちはこれで失礼しますね。」 「ごめんね!急に彼氏なんて...」 「全然いいよ。それより助けてくれてありがとう。何か今日雰囲気違うね。髪結んでるからかな...? あと、そのネックレス?凄く似合ってる。」 「本当!?ありがとう!じゃあ行こ!」 「うん!」 それから僕達は映画を見たり、昼食を食べたり、 買い物をした。ゲーセンにも行ったけど、やっぱりいちばん嬉しかったのは、お揃いのキーホルダーを買ったことだ。僕のは薄い黄緑色が透明の球体のガラスの中で渦巻いている、綺麗なキーホルダーだ。 音羽のはその水色。人生初のお揃いキーホルダー。 嬉しくてつい頬が緩んでしまう。 友達と遊ぶ時間はあっという間だ。楽しくて時間が止まればいいとさえ思ってしまう。 「じゃあ今日は楽しかった!ありがとう。」 「うん。僕も凄く楽しかった。」 「じゃあ明日、学校でね。」 「うん。じゃあ...バイバイ。」 この時間が...別れるときが僕は1番嫌いだ。次学校で会える。また多分遊べる。そう思っていても消えることが無いこの気持ち。ねぇ、君もこの気持ち気づいてますか。
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