ネズミのトリコ

2/4
前へ
/4ページ
次へ
明るく眩しい世界が暗闇に満ちた。 そんな中、彼は動き出す。 しわくちゃのパーカを被り、ノロノロと歩き出す。 満月のとき、彼女は現れる。そのことだけを知る彼は、街中を歩き回る。 街の人々は、当たり前のことだとそっぽを向き、歩き出す。 「奥さんまだ、探しているのかしら?」 「えぇ、そうに決まってるわ。だって奥さんのなくなった日に‥‥いやそうね」 誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も‥ 頭の中では分かってる。でも、心の中ではいるって思いたい自分がいる。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加