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「……どういうことなんだ、これ?」
今年五十八歳になる、某大学教授の僕は。部屋でゼミの生徒達から提出された卒業論文の数々を見て、頭を抱えていた。
最近はオカルトに興味を持つ生徒が多いな、とは思っていたのである。別にそれも悪くはない。いろんな因習や風習、都市伝説や儀式を集めた多種多様な卒業論文が出てくることを期待していた。自分も興味を持っているジャンルだから尚更、皆の提出を待ち望んでいたのだが。
奇妙な現象が起きている。
ゼミの四年生のうち、二十二人中二十二人が――まったく同じ題材で卒論を書いてきてしまったことだ。
明らかに、同じWEBサイトをコピーしている。
見てはいけない仮面の話、なんて。それ単体なら面白かったというのに。
――コピペは駄目だって、ちゃんと言っておいたんだけどなあ。
はあ、と白くなってきた頭を掻きながら、僕はため息をついたのだった。
――まあ、内容は面白そうではあるし、それについての考察はみんなそれぞれでやってるけど……なーんで揃いも揃って同じものを書いてくるかなあ。示し合せでもした?何にせよ、これじゃあ評価なんてあげられないし、まずはちゃんと叱らないと……。
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