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「もしかして妃奈子さんのボディーガードは、あの三田村家の?」
浅羽も同じ事を考えていたらしい。
「彼からは何も聞いてないけど」
「もしそうだとしたら、妃奈子さんの母上の企てがありそうだな」
浅羽が独り言のように呟いた。
「企てって何?」
「いや、母上が勝手に御曹司と見合いを企てるって妃奈子さんがよく言っていたから。彼をボディーガードにしたのはその辺の意図もあったんじゃないかと思って。三田村家と親戚関係になればいろいろと心強いだろ。妃奈子さんの母上は」
浅羽の言う事にも頷ける。
三田村君を秘書にしたのも、私のボディーガードにしたのも三田村幸蔵に近づく為の策略かもしれない。
私はいつの間にか母の手のひらの上で操られていたの?
まさか脅迫状も嘘で、三田村君を私の傍に置く為に……。
母ならそれぐらいの事をする。
だいたい政治家が生きがいの母が国会議員を辞めるなんて思えない。
それに実際に襲われたのだって一度だし。タイミングだって三田村君がいた時だったし、母が人を雇って襲わせたかもしれない……。
じゃあ、千葉での手紙は?
まさか、三田村君が母に頼まれて……。
「妃奈子さん、顔色が真っ青だ。大丈夫?」
「浅羽さん。私は本当に狙われているの?」
「えっ」
「厚労省の記者クラブに知り合いの記者がいるって浅羽さん、言ってたわよね?」
「ああ」
「その人に会わせて。本当に自分が狙われているか確かめたいの」
浅羽のチョコレート色の目が驚いたように丸くなった。
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