二人の大学生活

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土曜日 遂に斗真くんが訪問する日が到来した。 普段は外でしかデートしたことがない私達… 映画を観たりボーリングに行ったり… 私はあんまり歌えないけど、カラオケに行ったり… そんなデートが普通だった。 お家デートというのは本当に初めてで、私は数日前から緊張していた。 もうすぐ斗真君が来る時間だ…。 部屋の中の最終点検をする。 玄関、廊下、リビング、キッチン…あと、トイレも… 一人暮らしの決して広くない部屋だからか、そんなに物もない…。 うん。 大丈夫だ… 綺麗…。 食事のお皿、グラスなどの食器類も準備OK。 斗真くんは珈琲が好きなので粉も、普段よりはいいものを準備している。 あとは…     ・・・ピンポン・・・ ドキリとした。 遂に来た…来ちゃった、斗真くんだ… 私はドアをゆっくりと開ける。 「…おす。今日はよろしく!」 そこには、いつものように太陽みたいに明るい笑顔の斗真君が立っていた…。 相変わらず、格好良すぎて、困る…。 私は恥ずかしくなって、咄嗟に下を向く… 「こんにちは…どうぞ、狭いけど…あがってて」 私はそう言って、斗真くんを中へ促し、ドアにカギをかける。 ガチャリ…  振り向くと、すぐに斗真君の胸がすぐ目の前…え…?     「とうっ… !…ん、…何…」 ドアに突然、身体ごと押し付けられる…。 「… あ… あの…」 「ごめん…ちょっと、このまま…抱き締めさせて… …」 「あ…  う、ん…」 ぎゅうッと…斗真君の逞しい腕に抱き締められる…   「… なんか、部屋に上がったら、2人きりなんだなって実感しちゃって…誰もいないし‥ なんかごめん…もう少しな…」 驚いて斗真くんを仰ぎ見ると、 困ったような顔で…でもいつもの優しい瞳で、私を見下ろす斗真君と目が合う…。 「… うん… …」 私はそう答えて、普段とは少し違う斗真君の態度に驚いたものの、 しばらく、斗真君の温かい腕に、身を委ねた…。
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