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二人の大学生活
「うん…わかった、斗真くん…うん、待ってる…。」
私は電話を切る。
私と斗真くんは、今、同じ大学に通っている。
高校2年の時に、転入してきた斗真くんに好きだと告白されて…
もちろん私も同じ気持ちだったので、好きだと返事をして…
それから晴れて、私達は恋人同士になった。
そこから2年と少し…
ついこの前、大学2年に進級したばかりの私たちは、いまだに大きな喧嘩をすることなく、順調に交際関係を続けていた。
そんな5月のある日の電話で
「明里…そろそろ荷物片付いたか…?やっと念願の一人暮らしだし…俺、…そろそろ、明里んちに行ってみたい…」
斗真くんの突然の、申し出だった。
「え … …」
大学1年の時は親からかなり心配されたために一人暮らしは断念し、自宅から片道1時間半もかけて地元の大学に通っていた私。
ただ、ほぼ毎日の遠距離通学に疲れてしまったこともあり、両親を数日間かけてなんとか説得し、やっと2年の始めから、大学近くで細々と一人暮らしを始めていた。
「えっと…斗真君… そう、だよね…そろそろ来たいよね…」
「うん…さすがにそろそろ、行きたい…」
ボソリとつぶやく斗真くん。
「…じゃあ…来週の土曜日…とか、どうかな…バイトもないし、私、お昼ご飯作るよ。」
「わ…マジで…!やった。楽しみにしとく。」
嬉しそうな声の斗真くんの声を聞いて私も嬉しくなる。
斗真君は大学近くの男子寮で暮らし、私は実家暮らしだった、二人の1年間…
恋人同士でありながら一緒に居られる時間は外でのデートの間だけだった。
そして実はいまだに…
健全なお付き合いのまま、時間が経過している。
優しい斗真くんに、色々我慢をさせているかもしれない…
そんな状況で、ついに斗真くんが家に来る…。
私は週末に向けて、
色々準備をしなければと
心を奮い立たせた。
※
こちらは、下記の話(高校生編)の続編のお話となります。
よろしければ先に以下をご覧ください。
https://estar.jp/novels/25877463
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