退部

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退部

それから数日後。 夕日が窓を照らすなか、俺は陸上部の部室に顧問と二人で向き合っていた。 「部活、辞めます」 退部届けを顧問に向けて差し出し、受け取るのを待った。 「お前がやめるのは、やっぱり、西野のことがあるからか」 俺はほの暗い黒い眼差しで顧問をみた。 「迷惑はかけません。他にやりたいことができただけです」 顧問は眉間にシワを寄せながら俺をみた。 「久遠……俺は部を止めることを止めはしない。だけど今のお前をみていると不安になるよ。何をする気だ」 その言葉に、俺の目尻がピクッと反応する。 「やりたいことです」 魂のこもってない目で顧問をみて言う俺。顧問はなにかを言おうとして、言葉にできずに下唇を噛んだ。 「もういいでしょうか」 虚をつかれた顧問の目が揺れる。 「えっ、ああ……」 なにかを言われる前に、俺は頭を下げて部室を出ていった。
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