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「君、大丈夫か? 」
路上の隅にしゃがみ込む、ボロボロの俺に声を掛けてきた男の姿を見た瞬間、呼吸が止まりそうになった。
そして、差し出された手に触れた時、全身に電気が走った。
躊躇いながら掴んだ手が、力強く大きな手で握り返される。
緑がかった榛色の瞳が心配そうに揺れた。
息を飲む……。何て綺麗なんだろう。まさしく、捕まってしまった。
もう、目を離すことが出来ない。
それは、予感だった。
このヒトは、俺の全てになる。
だって、こんな綺麗なヒト、好きにならないでいられる訳がない。
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