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秀明館高校校門前。
「おいあれ。やっぱ本物はめちゃくちゃ可愛いよな」
「ああ、あれだけ可愛いとやっぱりイケメンの彼氏とかいるんだろうな」
「ちっ、世の中不平等だな」
一年前からこの学校の男子生徒達にとって妙子は憧れの的だ。
秋山妙子は大谷亜理紗よりも男子生徒から人気がある。
その人気度は全学年の中でもずば抜けている。
彼らのアイドルと言っても良い。
もし学校の女子人気投票というものがあろうものなら、一位獲得は間違いないであろう。
身長は一六四センチメートルと女性としてはやや高めで、顔は小さく、肌は色白で潤沢、目はパッチリ二重で、唇は厚く、睫毛も長い。
髪も艶艶でその型はストレートロングである。
彼ら憧れを抱いている者達の種族は多様でじっくり見る者やチラチラと見る者、本当はじっくり見たいくせに「俺、貴女には興味ないよ」的な雰囲気を醸し出し、興味がない振りをしながら一瞥している者と様々だ。
彼らハンターからの目線に気付いたアイドルの顔がどんどん真っ赤になっていく。
「こらこら、あんた達何見ているの?」
そんな姿を見かねてた亜理紗が目を細めてハンター達を一喝する。
「あっ」
叱られたハンター達が一目散に校舎へ向かって逃げて行った。
「全く、男どもめ。見世物じゃないって言うの」
「あっ、有難う」
アイドルの赤く染め上がった顔が通常の美白色に変わっていく。
「あっ、それより、早く行かないと遅刻しちゃうわよ」
アイドル達が教室に向かって走り出した。
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