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雅博は、水曜日の夜9時に芽衣へ電話を掛けた。
予想通りに愛想の悪い中年男の管理人が電話に出たが、在宅していると言うことで取り次いでくれた。
音信不通だった事に彼女は、いささか怒っていたが、
今度の日曜日に横浜駅で待ち合わせる事にした。
お互いに新しい環境にも十分に慣れて成人と成り、少しばかり余裕が出来た頃。
恋の復活には良い頃合いなのかもしれない。
横浜のデートスポットは今も昔も数多く存在するが、横浜駅で夕方6時の待ち合わせる事にした。
食事をしてちょっとお酒を飲む程度。
彼女とは約1年半振りの再会である。
話したい事が山ほどある。
約束の15分前に雅博は横浜駅の西口へ着いた。
交番の脇に陣取ったが、まわりの人の多さにはびっくりした。
殆んどが待ち合わせた相手を待っているのだろう。
しきりに目をあちらこちらに配らせている。
きっと待たされるだろうな……
そんな風に思いながらふと隣を見ると、随分と可愛らしい女の娘が居る。
誰を待っているのか……相手はどんな男が来るのかが気になる。
こんな可愛らしい娘とデートしている奴を見てみたい。
雅博は、人混みの中から芽衣を探すのではなくて、隣の娘の前に現れる男を待っていた。
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