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あの時とは、
雅博の目の前に突然現れて消えてしまった少女に渡してしまったハンカチ。
芽衣へそんな事を話しても怖がられるだけで、何にもならない。
「ごめんメイちゃん。何処かへ……多分何処かにあると思うけど、もしかしたらなくしちゃったかも。」
雅博は苦笑いしながら謝った。
「良いのよ、野中君。今夜はありがとう。楽しかった。このハンカチあげるからずーっと持っていてね。」
芽衣は、雅博を見詰めた。
「メイちゃん!」
………
「メイちゃんがやっぱり好きだよ!」
雅博は、思いっきり照れて言った。
「やっぱりって?」
芽衣は少し落ち込んだ顔をしている。
「やっぱりじゃないよ、大好きだよ!」
雅博は芽衣から視線を外さないで叫んだ。
「ありがとう野中君。私も貴方が大好き………これからも宜しくお願いします。来年のクリスマスは一緒に居たいね。」
ふたりは、店を出ると駅まで歩き出した。
こうして雅博と芽衣は、恋を再燃焼させた。
そして2年の歳月が過ぎて行った。
雅博の4 年間の陸上競技での成績は、地区大会止まりではあったが、雅博は十分に満足していた。
体を鍛えるという事は、心も鍛えられ成長すると言われるが、それよりもやはり恋愛である。
芽衣の存在が雅博の学園生活を充実なものにした。
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