7人が本棚に入れています
本棚に追加
雅博が 目指した企業は、横浜にある大手建設会社の技術者であった。
マンション、スーパー等の建築設計を雅博は担当した。
仕事は面白く、海外出張等も経験した。
付き合っている芽衣も大手銀行へ就職すると、横浜の神奈川区の支店に勤務した。
勤務地がそんなに離れて居ない事で、ふたりは同棲を始めた。
勿論、結婚を前提としたものである。
ある意味で同棲は、この人とこれからずーっと一緒に暮らして行けるのか?
いちばん重要な事を見極めるには、必要な期間である。
雅博と芽衣は、お互いを愛していると言った気持ちは変わらない事を確信した。
同棲を始めて二年後の春に雅博と芽衣は結婚した。
そして、その一年後には長女が誕生した。
芽衣は、仕事を辞めて育児へと専念する。
長女の名前は、
梨沙 (りさ) 野中梨沙。
雅博が命名した。
故郷、山梨県の梨。その通り山をイメージ出来る。
山と来れば海である。海をイメージした沙。
雅博は、梨沙を中心に、ごく普通の仲の良い幸せな家庭を築いた。
順風満帆な日々……
しかし、梨沙が小学生になる前年度の冬に、これまでの暮らしは破局した。
最初のコメントを投稿しよう!