ハンカチ

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トン・トン ドアをノックする音で雅博は目を覚ました。 時計を見ると夕食の終わる30分前の8時半。 ノックしたのは雅博の同僚で地元、横浜出身の山岸光太である。 彼の実家は、横浜の外れで鎌倉に近い戸塚である。 通うのには電車で1時間の距離だが、寮に入って陸上へ専念している。 「野中、体調でも悪いのか?もう直ぐお前さんの食事が片付けられちゃうぞ。」 「いや、至って健康だよ。ありがとう山岸。そうだ、後でお前の部屋へ行っても良いか?ちょっと話したい事があるんだ。」 山岸は軽くうなずくと自分の部屋へ戻った。 雅博は部屋を出て食堂へダッシュした。
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