6/6
前へ
/20ページ
次へ
    ※  山には夜が訪れていた。満天の星空に覆われ、清浄な空気に満ち、静寂に沈んだ夜が。  熊の着ぐるみを脱いだ男は、計六名の男女の死体を離れにある倉庫へと集め終えた。  これだけあれば、またしばらく食うものには困らないだろう。  男は上機嫌で口笛を吹きながら、月明かりの下で解体を始めた。メロディは『森のくまさん』。彼らしい選曲であった。 『そして誰もいなクマった』終。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加