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1.平凛の進学
中学3年というのは実につまらない。誰もかれも受験のために必死で、自分の事しか考えなくなっている。こんな学生生活になるのなら、受験制度自体をなくせばいいのに…。
平凛は毎朝早く起きて勉強をするのが日課なので、今頃受験だ受験だと慌てふためいている同級生たちが不思議でならなかった。
逆にこの時期に、恋人を作って遊ぶなどといったことをしているのは、既に人生の脱落者と思われているらしい…。
平凛は、
「私も傍からみるとそう思われてるのかな…」
と独り言を言った。
2学期に生徒会長を退き、本格的にももっちについて料理や家事を習い始めた平凛にとっては特に塾に通ったりしなくても受験など、「ただ用紙に記入する」だけの作業だ。
平凛にとって一番大切なことは。16歳になった時にダンナ様と結婚することだった。ダンナ様との約束で大学まで進むことになったものの、特に何かをやりたいといったこともない平凛だった。
高校は、家から一番近い高校を選ぶことになり、そこは追手前高校という公立校で、伝統はあるみたいだ。
今日は面接でその高校に行く事になっている。平凛は平然としていたが、ダンナ様の方がソワソワしてるのが、平凛はおかしかった。
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