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4.平凛のJK花嫁
…そして結婚式会場
空は良く晴れ公園の緑の中に所々にある桜は満開だ。3月も終わろうとするころにしては気温も高めだった。
式は会場の「ネスト」の中にあるチャペルで行われた。後ろの扉から平凛が是真さんに手を引かれて入場して来た。純白のウエディングドレスは、背の高い平凛にジャストフィットしている感じだ。とてもJKには見えないほど大人びて見える。モデルだと言っても誰も疑わないだろう。
平凛と是真さんは、ゆっくり…ゆっくりと歩を進め、やがて中間付近で待つオレの前まで来た時、是真さんが、
「平凛を幸せにしてやってくれ。このとおりじゃ…」
と言って頭を下げながら平凛の手をオレの手の上に乗せ、「ギュー」っとまとめて握った。オレは、
「任せて下さい、是真さん!」
と言って平凛の手を引きつぐなり、平凛を「お姫様だっこ」してから正面に向かった。ここは本当は、「手を引いてゆっくり歩く」という打ち合わせだったが、オレはこれから平凛という新たな命を支えて歩いて行かねばならない。もちろん、一生のことでもあるので、そういう重責からとっさにこういうパフォーマンスを思いついたのだった。
平凛も全く予定していない行動をとった。抱き上げられたまま、オレの首に抱きつき、オレにキスしてきたので、オレも合わせてやることにしたが、それをカメラマンが見逃すはずはなかった…。
妹の優菜までが、
「ヒューヒュー!お兄ちゃん、姉さん熱いよ!」
とか前時代的な冷やかしを飛ばし、式場は笑いの渦に包まれた…。
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