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プロローグ
むかしむかし。
時代をさかのぼること大正10年。
この国に、日本運動協会及び、天勝野球団が設立され、日本のプロ野球はその長い歴史の幕を開けた。
不幸な戦争の時期をはさんだものの日本のプロ野球はその後隆盛を極め、やがて、昭和24年、リーグが分裂。2リーグ、12チームの時代が始まり、半世紀以上もの歳月が流れたのだった。
そんな中、平成の終わりになって、日本プロ野球に3度目の転機が訪れる。
多くの社会人野球団体、アマチュア野球団体の選手やファンたちの要望が膨れ上がり、3つ目のリーグが切望されたのだった。
そしてついに、セリーグ、パリーグに次いで3つ目のリーグが創設された。
その名も、ドラマティックリーグ。略称、ドリーグ。
これから語られる感動の物語は、そのドリーグに最後に加入を申請した我らが球団「曇天クラウズ」の華々しくもひたむきな、どこにでもある日常である。
と。
申し遅れました私、田丸丸夫と申します。
「曇天クラウズ」監督兼独身寮の寮長を務めています。
45歳。おとめ座。血液型は、A。
あ。
百合ちゃんが呼んでる。
百合ちゃんっていうのは、私の妻です。ここの寮母もしている。
昔のクラスメート。
実は小学1年生の体育の時間の後、一緒に手を洗いながら校庭のはじっこの流しでプロポーズしました。シャボンで一杯になった小さな手がかわいかった。
いや、今も勿論、とってもかわいい。
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