餃子に救われたバスロマン

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ぐぅぅぅぅぅ・・・・・ あたりにお腹の音が鳴り響きます。 バスロマンはもう3日も何も食べてません。 流石にもうフラフラです。 あら、倒れてしまいました。 意識がもうろうとしている中、餃子が何故か動いています。 バスロマンは幻覚を見ているのかと思いましたがその餃子が話しかけてきたのです。 「お腹が空いているのですか?僕を食べて良いですよ。」 そう言ってバスロマンの口の近くまでやってきました。 少し冷めていますが、美味しそうな香りが漂っています。 しかし、バスロマンは食べる気になりませんでした。 「でも食べちゃったら君がいなくなっちゃう」 と、最後の力を振り絞って言いました。しかし、 「僕達食べ物は誰かに食べてもらえないと幸せになれません。なので食べてください。」 そう言われたので餃子を一口。 口内にニンニクの香りとポン酢の味がじゅわっと弾け、幸せに満たされます。 バスロマンは軽く二人前を平らげて起き上がり、 「ごちそうさまでした。」 と、箸と皿がなくなったガランとした空間に一人、呟きました。
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