14.合格発表

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 僕は僕で、黒野くんが隣にいるというのに少しも緊張することもなく、吐く息もどんなでたらめな言葉でさえも、全部黒野くんにゆだねることができた。  このまま、ずっとこのまま続いてほしい。  そう思った。  このまま、夜が続いてほしい。星は輝いていてほしい。  そして、朝が来てほしい。  朝が来ても僕たちの物語が、いつまでも終わらないで、ずっと続いていてほしい。  僕たちはずっと、贈り合うのだ。  新しい朝を。終わらない日々を。  ずっと。  やわらかい想像が、僕たちをやさしく温める。  そうやって僕たちは、だんだんと夜を終わらせていった。 おわり
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