心の、色、形。

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私は、夜しか生きられない魔物。 一部の人間には、宝石や絵画の如く扱われる。傷を付けず美しいまま保存するほど、彼らにとって自慢の一品となる。 そして同じ愛好家や売り手にその噂が広まれば、更に珍しい品を手にする機会を得る。 …美しいのは見た目だけ。 逃げない様に足の骨を抜かれたり、特殊な性癖の愛好家に内臓を売り飛ばされたり。生きた剥製の様に、ただの置き物に近付いていく。 私たちの姿はほぼ人間に近い。 戦う能力もなく、武器を持つ人間相手に成す術なく捕まって、こうして狭い部屋に閉じ込められてしまう。 ただ、まだ人間に隠している能力がある。 「自分に好意を持つ相手の心が読める」。 今も、私を捕まえた中で最も若い男の気持ちが読める。 彼の為に人質になって殺された昔の恋人に、私は似ているらしい。 もちろん似ているだけ。 でも、生まれ変わりの振りをしたら逃がしてくれるだろうか。 それをしても罪悪感を抱かない生き物であればよかったのに。 中身まで人間に似たくなかったな。
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