3人が本棚に入れています
本棚に追加
「あっ、ちょうどよかった。藤沢、ちょっと頼みたいことがあるからいいか?」
後ろから声がして、振り向く。
担任の先生がこちらに手招きしているのが見えて、先生にバレないように小さくため息をついた。
「はい、何かありましたか?」
少しだけ声をトーンを上げて、先生に話しかける。
「あぁ、少しこのノートを職員室の俺の机まで運んでいってほしいんだ。俺は職員会議が迫っているからどうしても時間がなくてな。頼んでもいいか?」
……少々めんどくさいな。
まぁ、でも断ったら流石にマズいか?
すぐに終わらせればいいし、ここは引き受けておくか。
「はい、わかりました。そこに積み上げられているノートを先生の机の上に置けば大丈夫ですか?」
「あぁ、じゃあよろしく頼んだぞ」
それだけ言うと、担任の先生は小走りで教室を出ていった。
「はぁ……」
先生が教室から出てから数秒後、俺は大きくため息をつく。
すぐに帰ってしまえば、良かった。
……これを運ぶだけだからまだいいけど。
さっさと運んで帰ろう。
俺は通学用のバックを肩にかけて、ノートの山を持つ。
それにしても、かなりのノートの数だな、少し前が見ずらい。
どっかのクラスで課題の提出があったみたいだな。
少し重いけど、持てなくはないから早く運んで――。
ドンッ
最初のコメントを投稿しよう!