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実際、そんなものがあったって、『贈り物』のご利益なんて、今迄何もないんだから、ディーナとしても実感がない。
「うちのお姫様は、自分の価値が分かってないんだから困ったものだよ 」
苦笑するアドルフ様に、心臓がドキッと高鳴った。
近衛隊のストイックな制服を身に纏い、馬車の窓枠に肘を付いてこちらを見詰めている。高く組んだ長い足、向けられる優しいアーバンイエローの瞳。
あぁ、やっぱりカッコいい。最強の攻め様だわ、シスコンだけど。
可憐なクラウス様の横に立つことが出来るのは、アドルフ様しかいない。シスコンだけど。
そして私は心に誓った。これは、この世界に転生した私に下された使命。待ってて、同志達よ!
絶対にアドルフ様とクラウス様を幸せにしてみせるから!!
城に到着してから、アドルフ様、私と私の付き添いで御者の隣に乗って来たアンナは別れた。
とても残念だったが、アドルフ様はお茶会に招かれてはいないし、近衛隊の仕事があるから無理を言っちゃいけないわね。
クラウス様とアドルフ様のツーショットは、次回に期待しよう。
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