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(煙は凄い…けど、空間は広くなった。これならルーク様にすぐ辿り着ける…銃声は後ろ…其処か!)
「ウチの勝ち…戻ってきてくださ――って、あれ…?」
“ラ・ウォーレ”の背後に銃声音があった。だから、彼女は振り返って飛んでいった。が、師の姿はなかった。弾数と精度からして、あまり遠くはない筈だと思ったが。
(いない…おかしいな、距離計算は合ってる筈なのに――)
「上だ」
「ッ!?」
塔屋は“ラ・ウォーレ”の真上から現れた。彼女が反応するより速く塔屋は着地し、弟子の左肩を刺した。義足の仕込みナイフだ。塔屋はすぐ抜かずにいたので、出血は抑えられている。しかし、結果は明らかだ。
「…ルーク、さま」
「悪いな、俺の勝ちだ」
塔屋は“ラ・ウォーレ”の首元に手を触れた。その優しい手は、彼女にとってはある種の死刑宣告となった。
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