1やっちまったのか? 朝チュン

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これってセーフか? セーフなのか? 私の乙女はどうなった? ホッとしたら、うぇ、気持ち悪い。吐きそうなんだけど。 最悪、もっと頭も痛くなってきた……。腕を見ると、赤黒いあざが5、6個……。マジですか。マジ、なんなんですか。昨日の私をシメてやりたい。 動揺するな、私。さあ、思い出すんだ! やはり成人したばかりの年下男子をベッドにつれこんだのだろうか。 何一つ覚えていない! どういうこと? 頭をどっかに打ったとか?  それより責任とるべきよね? あっちは男子だから、いいのかしら。分からん。 ほんとうに私たちヤッたのかしら。ほら、だって、いやいや、下着、つけてるし。 うんうん。ね? いや、もしかすると下着をつけたままやったのかも? ……わからない。乙女にはわからない。わからないよ。あ、もう乙女ではないんだろうか。 マリエはずーんと重い気持ちになる。 それよりも何よりも、今はここから出なくては。いったいここはどこなのだろう? ドレスは丁寧にハンガーにかけられていた。 よかった、ドレスはあった。この際コルセットはなしで。いや、手で持ち帰れないか。袋とかない? ないよね……。 じゃあ、ゆるゆるでいいからつけて、それからドレス着て……。靴下履いて、そっと帰ろう。 大丈夫。なんとかなる。私、がんばれ。 マリエが動こうとしたら、男が寝返りを打った。 まずい。そっと。そっと帰ろう。起きませんように。 私はなんてことをしてしまったんだろう。 あー、手が震える。そうだ、なかったことにしよう。うん。 それがいい。 マリエは男を見る。どうしても角度的に顔が確認できないのがもどかしい。なかったことにするなら、見なくてもいいかもしれない……。 そうだ、そういうことにしよう。 でも、どうするんだ? どうしよう? この後どうしよう? こんなの私の人生計画に載ってないんだけど。結婚とか、仕事とか。 マリエは頭を抱えた。 「マリエ、だめだよ。離れちゃだめ。そばにいて」 ベッドの中からくぐもった甘い男の声がする。 マリエの胸はドキンと跳ねた。 この声、たしかに一晩中聞いたわ。 マリエ、愛している。 マリエ、好きなんだ。
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