13ローレンスの企み

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13ローレンスの企み

マリエにはいくつか婚約の話が来ているという。それはそうだろう。頭が良くて、領地経営もでき、しかも派手に無駄にお金を使うことなく、堅実で外交上手。そして美人! この国で商売をするならバリー商会と膝を突き合わせることになるのだが、そこの孫娘ときたら、引く手数多だ。 マリエには婚約の打診の話はずっと前から来ていたが、俺がマリエの祖父バリー様にお願いして止めてもらっていた。 「俺が学校を卒業するまで待ってください。俺はマリエが好きだ。結婚したい」 バリー様は片眉をあげて面白そうにローレンスを見た。 「いいだろう。卒業するまでは止めておいてやる。それまでにマリエと恋仲になってみろ。マリエが堕ちたら結婚してよい」 バリー様は俺にチャンスをくれた。たぶん、マリエに好きな人と添い遂げてほしいと願っているんだと思う。 在学中、マリエにくっついても、お茶をしても、デートをしても、ご飯を食べても俺の思いは届かなかった。 根本的にマリエは鈍いんだと思う。あと、フランソワを育てるまで恋愛しないとか誓っているというし。結構難題だ。 明日は卒業式。最後のチャンスとなる。ここできっちりマリエに告白し、結婚を願おうと思う。 まずは外堀を埋める。少しずつ問題を取り崩すのだ。 とりあえず、マリエの祖父バリー様のところに向かう。 「明日、マリエに結婚を申し込みたいと思います」 「おお、ローレンス。頑張れよ」 バリー様は笑っていた。 隣には俺のじじいもいたので、じじいにも宣言する。
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