13ローレンスの企み

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「キミ―、僕らの親戚の力を強固にしたくないかい?」 フランソワがキミ―に提案をし始める。 ローレンスはよそを向くようにして、フランソワに「頑張れよ」と口パクした。 こうして、根回しはすんだ。 あとはマリエがサインして、王家に出せば結婚も成立する。 はははは。 マリエ、待っていろよ。 ローレンスは明日の卒業式のあとのパーティーを夢想しながら、床についた。 卒業式が終わり、パーティーが始まった。ダンスを促す音楽が流れ始まる。 ローレンスは決死の覚悟でダンスに誘うことにした。ダンスしないと言ったら、一緒に馬車に乗って帰ればいい。帰ってから結婚を申しむのもいいかもしれないな。 グランフォート伯爵と息子のヴィンセント・グランフォートがマリエとバリー様と話している。 嫌な予感がする。ぜったいマリエを狙っているだろう。バリー様は俺に視線をくれて、ニヤリと笑った。 ぜったい楽しんでいやがる。 ちょっとムカついたが、それどころでない。マリエが奪われるのかと思うとぞっとした。 なんとかマリエをダンスフロアに誘い、踊りだすことができた。マリエの顔や首はすぐそこにある。ふんわりといい匂いがした。ダメだ、マリエをぎゅっとしたい。 手は白くて小さくて、腰は細い。黒曜石のように煌めく瞳。薄紅色の頬。 ああ、全部尊い。マリエが好きだ。 「じゃ、一生の思い出にする。マリエも一生忘れるなよ」 あまりにもマリエがかわいくて、思わずマリエにキスをした。 驚いたマリエも可愛かった。 「マリエ、もう一回」というと、「うん?」と言って、マリエはローレンスを上目遣いで見る。 誘っているとしか見えない。 ローレンスは自分の耳が赤く熱を持っていることがわかった。 「マリエ……、もう一回したい」 マリエと2回もキスしてしまった。 ふ。ああ、もうこの瞬間を永遠にしておきたいものだ。悶絶したいが、ここは公の場。我慢、我慢。 君は女神だと思って踊っていたら、1曲目が終わっていた。 よし、2曲目だ。 マリエに尋ねるといいよと言ってくれた。 しかし、災難が起きた。 じじいが俺を呼んだのだ。余計なことをしてくれる。 ローレンスはじろっとベスタ―伯爵を睨んだが、本人はどこ吹く風だ。
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