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うちのじじいとバリー様、絶対結託している。
くそお。ぜったいマリエと結婚する。
どうしよう。この可愛い生き物。
そろそろうちの家に着く。
フランソワはまだキミ―と踊っていたし、バリー様も王城にいたから、うちに連れてきたのだ。
介抱する人がいないとダメだからな。
それに、まだ結婚を申し込めていない。何としても今日中に。仮にマリエがうちに泊まることになったら、明日中だ。
御者が到着の旨を知らせてきた。
ローレンスはマリエをそっと横抱きにして屋敷に入る。執事や侍女たちは一瞬目を丸くしたが、「坊ちゃまファイト」とばかりに応援した視線で見られた。
問題はマリエをどこで介抱するかだ。
客間か、俺の部屋かつまり主寝室か、それとも未来の奥方の部屋か。
客間は却下だな。そんなよそよそしいところには寝かせたくない。
キミ―の部屋という案は考えないことにした。
執事もうなずいた。
ということは主寝室か、将来のマリエの部屋だ。
結婚後のマリエの部屋はサプライズにとっておきたい。
となると、俺の部屋か。俺の部屋一択!
執事も大きくうなずいた。
よし、マリエは俺の部屋で休ませよう。
俺の腕の中にいるマリエはにこりと笑う。眠っているのに笑えるとは器用な奴だ。でも可愛い。
眠っているマリエを堪能しよう。
こうしてローレンスはマリエを自分の部屋に寝かせることになったのだった。
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