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14ここはどこ? あの日の真実
「なんか……、暑いわ! 喉が渇いた。ローレンス、暑いの」
マリエの意識が浮上してきたようだ。
完全に酔いがさめているわけではなさそうだけれど、暑がっているのは分かるんだけど、どうなんだ?
ローレンスの顔が赤くなる。
「ちょ、ちょっと待て。脱ぐな!」
ローレンスは慌てて止めるがマリエは止まらない。
「いや。もう眠いの。熱いし、キツイ。これとる~」
マリエはドレスのリボンををしゅるしゅるとほどいて、一息ついた。
「ほらね。あっという間。涼しいわ」
「わかった。おい。それ以上は脱ぐな。今侍女を呼ぶ。寝間着を着せてもらえ」
「やだ、もういいよ。あと、これもとっちゃう!」
マリエは重いコルセットのひもを緩め、すとんと床に落とした。
「ああ、スッキリした。あああ、やだ。サンプル失くしちゃったかな」
マリエがベッドの近くを手探りする。
「サンプル? 」
「うん、ドレスのポケットにしまっておいたんだけど」
「わかった、さがしてやるから、休んだけよ」
ローレンスはマリエのドレスのポケットを探ると、小さい赤いゴムの花を見つけた。
「これ、なんだ?」
「こうやるの。マリエは自分の白い腕に花型を押し付け、吸い付かせて見せた。
「昔やった、吸い付きか? これ、赤い痕がつくやつだろ」
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