14ここはどこ? あの日の真実

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「そうなの。すぐにとれば大丈夫だけどね。簡単なおもちゃだけど、隣国ではなかったみたいで……。でね、花型のものをつくってみたの。サンプルよサンプル」 「ああ、マリエ、もうそれ取らないと。痕が付くぞ」 「へへへ。あ、ついちゃった。ほら、みて」 「そんなところに痕をつけちゃだめだ」 ローレンスが眉を顰めると 「ふふふ。お母さんみたい」 マリエはもう一か所腕に赤い花を吸い付かせ、痕をつかせた。 「見てみて! もう一個できた!」 「マリエ、昔痕をいっぱいつけて、病気みたいと泣いただろ? もうやめような」 ローレンスが取り上げようとすると、マリエはいやいやと首を振った。 「あと一回だけ」 「朝起きた時、びっくりするぞ?」 ローレンスは呆れたようにマリエを見る。 「大丈夫、大丈夫。だって、ローレンスがいるもん。ローレンスかっこよかった。すごくよかった。キスしちゃった」 マリエはふふふと笑いながらベッドの中に潜り込む。 やれやれ。 ローレンスは優しくマリエを見守る。 俺たちが大きくなるまで、まあ、おもにフランソワが学校を卒業するまでだが、マリエも頑張ってくれていたからな。緊張の糸が切れたんだろうな。しかもこんなに幼げなマリエ、初めて見る。可愛すぎ。素晴らしい。 飲ませる時は、絶対家で飲ませよう。 ローレンスは心に決める。 「シーツがひんやり~。これも暑いから脱いじゃえ」 「もう寝ろ。酔っ払い」 ローレンスはマリエの鼻をつまむといやいやとシーツをかぶる。 マリエ、愛している。 マリエ、好きなんだ。 かわいい。 ああ、マリエしか勝てん。 ローレンスは苦笑する。 「ローレンス、好き……」
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