2マリエのお仕事

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「あんたたちは、学校の準備するのよ? 仕事から帰ってきたら、チェックするからね」 「はーい。ちゃんとやっておく! マリエ姉さんのこと待ってるね。お仕事頑張って!」 キミ―はマリエのことを頭をなでてほしそうにじっと見た。 キミ―はローレンスの双子の妹だ。 反抗期真っ盛りのフランソワやローレンスと違って、素直で可愛らしい。 おまけに、ピンク色の綿菓子のようなふわふわとした髪をしている。 マリエがキミ―の頭をなでると、キミ―は嬉しそうな顔をした。 こんなかわいい子が入学して早々困ったことになったら、かわいそうすぎる! 忘れ物がないようにしてあげないと! それに、モテすぎて男の子に絡まれたら大変だ。 マリエはキッとフランソワとローレンスを見た。 「男子たち! いい? キミ―を護るんだよ」 「分かってるよ、姉さん。任せといて」 フランソワは真顔で応える。 「俺はマリエを護るから」 ローレンスはにこりと笑った。 え? おい? ちがうだろ? マリエが眉を顰めると、ローレンスは笑顔を崩さず見つめてくる。 私が言ったのは学校生活での話で……。 ええと、まあ、相互助け合いというなら、それでいいのかもしれない。そういうことにしよう。 「フランソワもローレンスも頼んだわね。じゃあ、行ってきます」 マリエはおじいさまのところへ向かった。 おじいさまはマリエに「通訳だけでなく、いろいろなことを学びなさい。人生は勉強だよ」と言って、子爵領の経営も商会の仕事も任せてくれている。 マリエは父と母が亡くなってから通訳として、そして領地経営に携わることになった。 毎日が飛ぶように過ぎていく。 勉強したことが仕事に生かされていく快感を覚え、夢中で仕事をした。 もちろん、フランソワやローレンスとキミ―の学校行事にも保護者として出席した。武術大会にはフランソワとローレンスが出場し、体育修練大会にはキミ―も出場した。 フランソワは準決勝まで、ローレンスは決勝まで進み、隣国の留学生と同点で引き分けとなった。 すごいぞ、うちの男子たち。 保護者席も大盛り上がりだ。
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