14ここはどこ? あの日の真実

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マリエの不意打ちにローレンスはカッと目を見開いた。 マリエを見るが、マリエはまた夢の中へ行ってしまっていた。 「マリエ、もう一回言って? 」 「好き」 「ねえ、マリエ。じゃあ、結婚する?」 「……」 「マリエ、起きて! 他の人と俺、どっちと結婚する?」 「……、バカねえ、ローレンスに決まってるでしょ。好きよ、おやすみ」 意識戻ってたよね? もしもし、マリエ? ああ、ゆさぶっても起きやしない。 しょうがない、俺も着替えて……、マリエが起きたら軽食でもつまむか。 ローレンスは自分も疲れていたことに気が付いた。 俺も少し寝よう。 ちょっとベッドの上に腰掛けたつもりだったが、次に起きた時は朝だった。 マリエがもぞもぞと動き出し、ローレンスの意識も起き始めた。 「おはよ。マリエ」 ローレンスはマリエの首筋に顔を寄せ、「マリエの匂いだ」とつぶやく。 「……、ちょ、ちょっと」 「せっかくの朝なのに、どこに行くつもりだったの? 俺を捨てる気?」 眠そうな目をこすりながら、悲し気な視線をマリエにおくる。 まるでキュンキュンと寂し気に訴える犬だ。自覚はある。この純粋無垢風な目にマリエは弱い。 「ローレンス」 「マリエ……。夕べは大丈夫だった? どこも痛くない?」 「え? ええ?」 マリエはこめかみを押さえる。 「二日酔いだね。そんなに強くないんだから飲んじゃダメだよ。あ、俺の前ならいいけど。酔ったマリエも可愛いから」 「で、私たちって……」 「こういう仲だよ」 ローレンスはにっこりと笑い、マリエの頬にキスをする。 「僕がみんなに説明するから。大丈夫。心配しないで、僕と結婚しよう。婚約しよう」 「……うん。あのさ、昨日私……」 ローレンスと結婚……。婚約……。いいのか? いいのか? 私。ところで、やったのか? やっちまったのか? どっちなんだ? 「泊まったことなど、細かいことはどうでもいいでしょ。まずは俺たちの気持ちが通じ合ったことの報告だよ」 もう文句は言わせない。マリエと結婚する。そっか、素面でマリエに言ってなかったか。 ローレンスは腹黒い笑みを浮かべている。
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