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やったとかやってないとかそういうレベルを超した、婚約のお話ってこと…‥。ローレンスとなら、いいかな。
マリエはちらりとローレンスの顔色を窺った。
「マリエ、僕は一生あなたと添い遂げたい。あなたと人生を歩みたい。結婚してくださいますか?」
ローレンスはマリエの前に立つとひざまずいた。
「……。はい」
マリエが頬を赤らめてうなずく。
ローレンスはマリエを抱きしめ、何度も唇を合わせた。
15私たち婚約しました。
どうして私のおじいさまも、ローレンスのお祖父様ベスタ―伯爵も、誰も私たちの婚約に異議を唱えないんだろう。フランソワとキミ―のこともそうだけど。
なぜ?
いや、幸せだからいいんだけど。なんか不思議だよね。
「さあ、マリエ」
ローレンスがぱあっと笑顔を向けた。
「え? ああ、隣に座るから大丈夫よ」
「いや、危ないから」
危なくないですよ。普通のいつもある長椅子です。座るだけですから。
「ほら、おいで」
ローレンスは膝をポンポンと叩く。
どうしてこうなったんだろう。おや?
抵抗むなしくローレンスの膝の上に横抱きにされた。
「ねえ、重いんじゃない?」
「マリエは羽のように軽いから。もうちょっと食べてもいいくらい。これでも近衛騎士見習いですから」
ローレンスはすりすりとマリエの頭に頬を撫でつけた。
「そ、そうですか。ありがとうございます?」
マリエは引きつりながら笑う。
マリエとローレンス、フランソワとキミ―の2カップルは無事婚約式を終え、それぞれの家で逢引の最中だ。
「不思議だったんだけど、ベスタ―伯爵は私たちの婚約に反対しなかったの?」
「別に?」
「おじい様同士仲がいいから?」
「まあ、そういうのもある」
「ほかにもあるの?」
マリエはローレンスを仰ぎ見る。
相変わらずの美丈夫である。うっとり思わず見ちゃうわ。
美しく整っている顔のローレンスが小首をかしげた。
「準備していたからね。ほら、マリエが教えてくれただろ? 人生は計画、実行、修正って」
「確かにうるさく言ってきたけど」
どういうことなんだろう。マリエはいぶかし気だ。
「俺は小さいころからマリエが好きだった」
はい。そうでしたね。知っています。
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