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マリエの頬がじんわりと赤くなる。
「だからね、計画を立てたんだ」
んん?
「バリー様と俺のじじいに何度も頼んで、それから計画を立てた。さすがにマリエが前後不覚まで酔っぱらうとかまでは計画していなかったけどね」
ローレンスは口角を上げて、楽しそうな目をした。
「いつの間にそんな計画をしてたの? びっくりなんだけど」
「結婚の準備計画は一年前からかな。じじいどもに許可をとって、キミ―とフランソワにも打診して……。一番手ごわかったのはキミ―だったけど。あいつ、人の話聞かないし、マリエ大好きだし」
「そ、そうなんだ」
マリエは血が沸騰しそうになった。
「だって、どうしてもマリエと結婚したかったから」
ローレンスはへにゃりと笑った。
かっこいい人が気の抜けた笑いをするの禁止! 可愛すぎる!!
「もっと早く口説いてくれればよかったのでは?」
朝チュンとか、恥ずかしすぎる。ほんと黒歴史。
「だって、マリエ全然俺の気持ち気が付いてなかったでしょ」
いや、マリエとしか呼ばないし。ほかになんかアプローチしていた?
生意気だなとは思ってましたよ。マリエ立て呼ぶし。ライバル宣言かと思ってましたよ。すいません。
肩を抱かれたり、エスコートしてくれたり、手を繋いだりは……、『俺、大きくなったでしょ』ドヤってことかとも思ってましたが。あ、違ったんですね。あは。すいません。
「ううう、鈍くてごめん」
そういえば、甘い雰囲気があった気がする。蹴飛ばしていたけど。
「うん、それに、ちゃんと結婚を申し込もうとしたら、卒業パーティーでお酒飲んで寝ちゃうし」
「それに関しては謝るしかない。お酒を飲んで迷惑をかけたうえ、私、ローレンスのこと襲ったんでしょ? 誠に申し訳ございません。恥ずかしく恥ずかしくどうしようもないの」
マリエは両手で顔を覆った。
ローレンスはマリエの肩を抱いて、顔を隠す手の上のキスを降らせる。
「酔っぱらってへにょへにょマリエは可愛かったし。俺らの関係が進むきっかけになったから」
ローレンスがマリエの長い茶色の髪をなでる。
もう婚約もしてるし、いいよね? 結婚するんだし。あの夜、何があったのか。ずっと怖くて聞けなかった。
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