14ここはどこ? あの日の真実

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「マリエ、全く覚えていないの?」 マリエはこくんとうなずいた。 「マリエが暑いって、ポイポイと脱いだんでしょ。そのとき、おもちゃのサンプルが落ちて、サンプルの説明をしてくれて……。何か所も実演してくれたんだよ」 え? 私、バカなんでしょうか。 「ほら、赤い花だよ。花型なのに、花の形には赤くならないんだけどって、何回もやってくれたんだよ」 「面目ない」 マリエはあまりの事実に体を小さく丸め、うつむいた。 「それに、痛くなかったでしょ?」 痛くなかったとは……。何をさしているのかな、このエロ騎士! 「俺はね、ロマンチストなの。大好きなマリエをようやく手に入れたんだから、成り行きで乙女を散らすなんて絶対ないね。ちょっとくらい味見したかもしれないけど」 そ、そうですか。すいません。え? いま、味見っていった? 「味見って?」 「ううん、なんでもない」 「マリエ、結婚式の後、初夜をいっぱい楽しもうね」 腹黒さ全開のこわーい笑顔のローレンス。ひー。 ずりずりと膝の上から降りようとしたら、全力で止められた。 ワンコの尻尾ふりふりの幻覚がみえる。それから、美形大型ワンコが私の顔をペロンと舐めた。 「もう婚約したし、味見はオーケーだよね?」 ローレンスは片方の手をマリエの胸に近づける。 ええい、その手、胸からはなせ! 「まあまあ。あと少しで結婚だし、ちょっとだけね、マリエ?」 結婚式は半年後になっている。 くうう。このエロ腹黒が! ニコニコする面構え。純粋無垢な瞳。やばい。ダメだ。好き……。降参だ。 ええーい。なんかくやしいから、こっちから仕掛けてやる! マリエはローレンスの横顔を覗き込み、すばやく唇を奪う。 は、恥ずかしい。思いついてやったけど、ああー、もう去りたい。 よし、帰ろう。おうちに帰って、ベッドの上で悶絶しよう。 「ほぇ?」 ローレンスは固まっている。 おお、だんだん顔が赤くなってきた。ふふふ。勝負あったな。 私の顔も赤いけど、なんか勝ったって気がする。 いい気分だ。ははは。 「そんなに俺のことが好きだったんだね。マリエ~」
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