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「さあ、チエちゃん。ご飯食べましょうね~」
新しいチエちゃんは、お母さんの言葉に従って、礼儀正しく食事をします。
姿勢が悪ければ、姿勢をまっすぐにし。服の襟が曲がっていれば、襟を正す。
もちろん、勉強だって文句1つ言わずにこなします。
チエちゃんは、まだ5歳。小学校に上がるには、1年以上ありましたが、保育園の内から勉強していなければ、いい学校には通えません。
「どうしてこんな問題も解けないのよ!」
お母さんの怒声が飛びます。
「ごめんなさい」と素直に謝るチエちゃん。でも、解けないものは解けないのです。努力にも限界があります。
「算数、国語、理科、社会!全部ダメじゃないの!」
お母さんは怒りのあまり、頭の血管が切れそうになりますが、どうしようもありません。そもそも、チエちゃんに解かせている問題が難し過ぎるのでした。本来なら小学3年生でやるような問題を無理矢理に教えようとしているのですから。
「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい」
チエちゃんは何度も何度も謝ります。
でも、お母さんは決して許してはくれません。問題が解けるまで、夜も寝かせてくれません。
「いい加減にしないか!子供は寝るのも遊ぶのも仕事なんだぞ!」とお父さんもチエちゃんの味方になってくれますが、お母さんは全く聞く耳を持ちません。
「あなたは黙ってて!このままじゃ、チエがダメになる!将来が台無しになってしまう!そうなったら、あなたは責任が取れるの!?」と、余計にヒステリックを起こすばかり。
ついに、お父さんもあきらめて、何も言わなくなってしまいました。
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