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足の長い草が風に揺られてさらさらと音を鳴らす。灯りがなくても明るい夜空には、いくつも白い筋が走る。その一瞬の煌めきに手を組み、あたしは願いをかけた。
再び空を見上げる。あたしたちはどんどん変わっていくのに、星たちはいつもそこにいてくれる。星にとってはずっと同じでいるのは悲しいかもしれないけど、あたしはそれに安心した。
また星が流れる。直線的な軌道はこちらに向かってきて、目の前に落ちていった。えぐれた地面をのぞき込めば、輝きを失った星の欠片がある。拾い上げるとたちまちそれは宝石のように変化し、緑色に煌めく。
それを腕に掛けていたバスケットに静かに入れる。中には色とりどり星たちが敷き詰められていた。
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