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彼女に出会って、俺は初めて気がついた。
今まで自分が見ていた世界がモノクロだったことに。
だけど彼女は俺には決して手の届かない人だった。
なぜなら、彼女にとって俺は恋愛対象外の男だったから。
そんな事は、相手に聞かなくても分かりきった当然のことで。でも、だからといって彼女を自分の心から消す事もできなかった。
彼女と出会ったあの日、自分の中で生まれた感情はなにも淡い恋心だけじゃなかった。
早く大人になりたかった。
彼女との年の差は決して埋まる事はないけれど、それでも大人になれば、今よりは近づける気がした。
なのに現実は悲しいかな、まだ当分の間は制服から卒業できない俺と、もうすぐ制服から卒業してしまう彼女。
中学すらまだ卒業できない俺にとって、大人への道のりはまだまだ果てしなく遠い。
絶望すら感じるほどに……
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