いじめ

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いじめ

私は今日も絵を書いていた。そう、大切な大切な絵を。 どんな状況でも絵を書くといくらか気持ちが楽になる。何時もイライラしたり悲しんでいる人も絵を書いてみたらいいと思うんだ。 あ、自己紹介がまだでした。私は絵璃(えいりん)という名前の、少し暗い普通の中学二年生。私の趣味は絵を書くこと。名前についている感じの通りになったねとお母さんが言ってた。 名前をつけた理由は、単純に絵が好きな、上手い子になってほしかったからなんだって。実際お母さんはすごく絵がうまい一流のイラストレーターなのですから。私のあこがれの人なの。 取り敢えず、自分の紹介は終わりにするね。私は今、絶賛いじめられ中なんだ。嫌なことでも自信がないのではっきりと言えないの。ハキハキしてる元気なお母さんとは反対の性格みたい。どっちかって言うとお父さん似かな。 今そんなことはどうでもいいよね。 「おい、絵璃。何浮かれてんだ。また変な絵書いてるんじゃないんだろうな。」 ちょうどいじめっ子のリーダー子宝 杏奈(こだから あんな)。漢字ではこだからだけど本人はジュリエットとよんでいる。これ以上ないくらいのキラキラネームだ。 杏奈はいじめっ子のリーダーでもあり、クラスのリーダーでもある。とても目立つ私とは真逆の存在だ。それにモッテモテでもある。 私は自分がモテモテじゃなくてほんとに良かったと思う。だって、絵を書くときのじゃまになるんだもの。 「お前、何見上げてんだ?お前みたいなクズに私のきれいな顔を見せるわけにはいかないんだよ。」 そう言って、髪を引っ張られた。いつものことだ。これ以上見てるとめんどくさいので、すぐに顔を下げた。 「そうだ、お前みたいな陰キャのブスはいつまでもした向いとけ。」 はやく、杏奈が好きな恋兎が来てくれないかな。杉森 恋兎(すぎもり れんと)は、このクラスで一番人気の男の子で、杏奈が大好きな人。私は恋愛とか興味ないから関係ないけど、杏奈は恋兎の前だけはいじめをしなくなる。 「あ、そうだ。なぁ絵璃、命令がある。」
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