全ては細工

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朝になった。私はいつもどおりの支度を整えてから家を出た。目立ちたくないから、髪も全ておろして少しぼさついた髪を残しておく。 いじめられたいわけじゃないんだけど、どうしても目立つのは嫌なの。目立つぐらいならいじめられる方がまだマシってぐらい。 学校について、教室に入った。途端、杏奈が飛びついてきた。 「ねぇ、絵璃?正直に答えてほしいの。昨日、恋兎くんと二人で会ったかしら??」 笑顔がすごく怖いです、杏奈さん。 「昨日は、合わされましたよ。半強制的に。恋兎くんの罰ゲームで偽の告白をしなければならなかったらしいので。そこから、罰ゲームということがまるわかりということを指摘し、私の質問に答えてもらいました。つまり、杏奈さんが聞いてと言ってた質問を。」 正直に話したのに顔が怒っている。どうして? 「罰ゲームでとはいえ、恋兎の初めての告白が絵璃みたいな陰キャだなんて…そんなのあんまりよ!それで、質問の答えは?」 ここで昨日細工したやつを言えばいいんだね。本当に恋兎くんには感謝だよ。 「いつも元気で明るくて、みんなと楽しそうに話してることが多い、とのことでした。」 それを聞いた瞬間杏奈の顔がぱぁっと輝いた。 「それは正しく私のことじゃない。あらやだ、あーしら両思いだったんだ♪」 これにて一件落着かな…?少し恋兎くんには悪いけど。 一応通りすがりの教室全部覗いてみたけど、恋兎くんが言っていたような人はいなかった。 あ〜あ。私と性格がそっくりだから気が合うと思ったのに。 ん…?私に、そっくり?
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