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私には好きな人がいる。
隣のクラスにいる南田彰太。サッカー部のゴールキーパー。
2年の時は同じクラスだったけど、あまり話したことはない。
南田くんは元々あまりしゃべらない。同じサッカー部の男子とはよく話すけど、女子と一緒にいるのは、ほとんど見たことが無い。
背が高くて、手足が長い。おそらく180cmは超えている。遠くからでも頭一つ出てるから、見つけやすくて助かる。
きっかけは、ある日の放課後。
部活に行くため、私は体育館の更衣室で着替えていた。シューズを忘れていたことに気づいて、練習着のまま教室へと戻った。
誰もいない教室には、南田くんが1人いた。彼は教室のドアを開けた私を驚いた表情で見ていた。
「ちょっと忘れ物しちゃって」
私は聞かれてもいないのに、そう言った。何となく気まずかった。
彼は掃除道具を片づけていた。
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