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名前は前から知っていた。堀北希美。バレー部所属。2年の時は同じクラスだったが、3年ではクラスが別々になった。
彼女の名前はすぐに覚えた。
2年の時のクラスマッチ。男女混合バレーで、ウチのクラスは決勝まで勝ち進んでいた。
僕の出場したサッカーはベスト8まで進んだものの、3年の先輩たちがいるクラスに敗けた。結局は、そのクラスが優勝した。
敗けたチームは他の競技を応援することになっている。僕たちは体育館へと移動し、今まさに始まろうとしているバレーの試合を観戦した。
男子3名、女子3名で構成されたチームは、互いに声を掛け合い、この決勝まで駒を進めていた。中でも堀北さんは、いつも前向きな言葉を発し、チームをけん引していた。
ミスを責めるでもなく、相手もヤジるのでもなく。目の前のプレーだけに集中しているのが、傍から見てもよく分かった。
結局は負けてしまい、僕らのクラスは準優勝だったが、その成績は立派だった。堀北さんは試合が終わっても、チームメイト全員に声を掛けていた。
その日以来、僕は彼女を無意識に見つめるようになっていた。
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