吾輩は猫じゃらしである

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 夏になり、秋になり、窓の縁が白くなりだした頃、ネコタロウはハルカの家に数泊する運びとなった。  引き取られる前の試験期間である。  ハルカの家に向かう前夜、ネコタロウは久方ぶりに吾輩をオモチャ箱から引っ張り出した。  懐かしい噛み癖が出たかと思った矢先、ざらざらとした舌が吾輩を撫でた。  ネコタロウが吾輩に対し、噛む以外の行動を取るのは、出会ってから初めてのことであった。  しばらく吾輩を舐めた後、吾輩を胸に抱えたままネコタロウは眠りに落ちた。  やつの前足に抱かれながら、吾輩はネコタロウとの別れが来ることを悟った。
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