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見て欲しいの
「今日の放課後に私の家で、私の…オナを見てくれない」彼女は顔を真っ赤にしなから唐突に耳元で囁いた。
「えっ!?」彼女の発した言葉の意味が解らず聞き返す。
「他の人には見せたことないの…、大鐘君に見てもらって…で、感想とアドバイスが欲しいの」そんなに親しくした記憶もない彼女の言葉に息を呑む。
彼女の名前は如月美鈴。成績優秀、いつも学年テストの首位を独占している。そしてスタイル容姿も問題無し、いやパーフェクトといっても過言ではない。誰もが認める我が校のアイドルである。彼女と話をしているだけでも、男子生徒達から、憎悪に満ちた視線を浴びるのは必至である。ましてや、先ほどの彼女の言葉を聞いたら、間違いなく俺は校舎の上から丸裸で逆さに吊される事は覚悟しなければならない。
「な、なんで俺なんだよ…。俺…、そんな…」返答に躊躇する。
「大きな声を出さないで…」彼女は、俺の口をその奇麗な手のひらで包むように押さえた。その感触が心地よい。「前に、大場君がよく知ってるって聞いたから、お願い!」願掛けでもするかのように両手を合わせた。もちろん嫌な訳はない。
「う、うん…」俺の顔も真っ赤になっているであろう。
「よかった。じゃあ放課後…、虹色公園で待ち合わせね」小さな声で呟くと可愛くウインクをした。その破壊力は、かなりの物であった。
午後の授業は、集中出来ずいつもの倍ぐらいの時間を消費したように感じた。
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