つきあってるのか?

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つきあってるのか?

「お前、最近如月とつきあってるのか?」東が急に切り出してきた。 「えっ、いや、俺と美鈴ちゃんは…」しまったと思い口を手で塞ぐが既に遅し…。 「なんだ、下の名前で呼ぶ仲なのか!?どうせお前の片思いなんだろうけど、恋人でも無いのに馴れ馴れしいんじゃないのか?」東はなぜか少し機嫌が悪い。そういえば美鈴に気があるような事を前に聞いたようなきがする。俺にしてみれば彼女にほのかな恋心が芽生えている事を自覚している。 しかし、彼女の天真爛漫な誰にでも気さくな態度を見ていると、それが部不相応の感情であることは、流石に理解している。 「あっ、アキト君、それと…えーと、南君もおはよう」まるで美しい歌声のように心地の良い挨拶をして美鈴が登校してきた。 「えっ、あの、俺は東なんだけど…」東が悲しそうに自分の顔を指さした。 「あ、そうなんだ。ごめんなさい、私、興味無い物をなかなか覚えられなくて…」彼女は天使のような微笑みで悪魔の言葉を吐いた。 「ちょ、ちょっと…」さすがに東が可哀想になり、美鈴の制服の裾を引っ張った。 「えっ、なに?」彼女は意味が解らないようである。 「アキト、…お前!」東が俺が掴んだ彼女の制服を凝視しながら爆発しそうな顔をした。 「あ、いやこれは…」俺は恥ずかしくなり、手を離した。 「そうだ、アキト君!今日も家に来てね。また、お父さんとお母さん居ないから…、じゃあねアキト君、それと西君も」また、可憐な微笑みを残して彼女は自分の席に着席した。 「お父さんとお母さんが居ないって、お前達なに、どんな関係、まさか本当に!!」東が俺の胸ぐらを掴む。 「ち、違うよ!勉強、そう勉強を教えて貰ってるんだ!」無理やりな言い訳。 「勉強だって…、それなら俺も混ぜてくれよ!」当然、そう言うわな。 「いや、それは…無理…」断る理由が見つからない。 「なんだよ!それ!!」東が食い下がる。 「アキト君、どうしたの?次の音楽室に行かないと遅刻になっちゃうよ」唐突にそう言うと美鈴は俺の腕に絡みつき誘導していく。 「あー!!」東の悲痛な声が聞こえる。 「美鈴ちゃん…」もしかして、ワザとやってるのか? 「ちゃんはいらないよ!み・す・ずって呼んでね」まるで呪い言葉をかけられたように、俺はまた、石のようにフリーズしたのであった。
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