半永久機管

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半永久機管

「これはいい!」ギルは意気揚々と両手にもったレーザーブレードを器用に振り回す。まさか二刀流とは恐れ入る。 あの後、美鈴はリンに電磁ナックル、ギルにはレーザーブレードを注文した。リンのナックルも、少しは威力が強くなるように、ギルのアドバイスに従って調整をした。 「なんだか凄いな」そのブレードの威力に俺は驚きを隠せない。河原に散乱する岩を真っ二つに切ってしまう。これなら人でも簡単に殺傷してしまうであろう。もちろんネットで購入した刃にはそんな威力はないのだが、ギルが改良をして完全に別の物にしてしまった。 「これなら、私が負ける事はない」ギルは背中に刺した2本の鞘に刃を収めた。その瞬間、レーザーブレードは充電を開始する為にキュイーンという電子音を発した。 「前から思ってたんだけど、ギルは何をエネルギーにして動いているんだ。他のオルナスは、充電時間が必要なのに、お前がそんな事をしてるのを見たことが無い」もちろん、人間の食べるものなど口にしない。 「私の胸部には、空中の元素を変換しエネルギーに変える、半永久機管が搭載されている。しかし、アキト達と同じく、空気がない世界では私は動けなくなるんだ」ギルは自分の胸に手を当てる。 「逆に言えば空気がある限り、エネルギーは尽きないって事なのか?」なかなか、空気のない場所を捜すのが大変だと思った。 「そうだ、無酸素状態でも8時間ほどは活動出来るが、それを超えると人と同じように動けなくなる」 「それは…」頭に一抹の不安が過る。 「死だ」ギルはその言葉を噛みしめるように呟いた。
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