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「荷物みたいに投げないで下さい!」
「うるっせえな、昼休みだよ、何を仲良さそうに頭なんか撫でられてんの」
「…え?どこから見てたんですか?」
「部長室の前の廊下からテラス丸見えなんだわ」
「ああ、言われてみれば確かに…」
あの場所からはテラスの様子がよく見える。
昼休みの間中、宇野さんに稜さんとの遠距離恋愛に関する相談に乗ってもらっていた私としては反論の余地もなかった。
「…だけど、別に普通に喋ってただけで」
「そんなん弥生と宇野の性格からしてわかってるけどイラつくんだよ」
「えっと、あの…」
「悪かったな、器が小さくてよ」
稜さんがキスで私の口を塞いでくる。
組み敷かれたまま掴んだ手首をシーツに縫い付けられ、深む口付けに呼吸は乱れた。脚の間を割り開くようにして置かれた膝がぐっと敏感な場所に押し付けられる。
「りょ、うさ、ん」
「この程度で何エロい顔してんの?」
酷い言い草に、カっと頬が熱くなる。
そんな私を嬉々と見下ろす稜さんは性格が悪い。
「まじで弥生は隙多すぎ」
「そ、んなの、わからないです」
「ヘラヘラ誰にでも愛想振り撒いてんなよ」
「愛想良いのが悪いんですか」
「彼氏目線ならウザい以外の何物でもねえな」
「自分勝手すぎません?」
「男なんか所詮そういう生き物だろ」
全人類の男の人に謝って欲しい。
自分のことばっかり棚に上げちゃって、何よ。
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