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けれど手首を固定されて体の上に乗られている私は自分の意志で身動ぐことすらままならない。そんな風に私から自由を奪った稜さんはどこか満足げだ。
「男の嫉妬なんて醜いもんだろ?」
ふっと鼻先で笑う。
偉そうで尊大なのに、酷く色めいた艶笑。
これから自分がどんな目に遭わされるのか咄嗟に想像した私は、期待と不安が交錯し、鎖骨に彼の唇が落とされた刹那に心臓が甘い痺れを発症させる。
暴かれて、乱されて、沈められて。
私が誰のものかを思い知らせるみたいな、情事。
そんなことしなくたって、私の身も心も最初から全部稜さんのものだというのに、どこまでも心の狭い人ね。
「、ッ、あぁっ、…!」
後ろを向かされて、シーツを握り締める。
背後から貫かれた熱が強引に中を突き上げるたびに、恍惚に満ちた感覚が頭の先から指先に至るまでの隅々を蝕んだ。
首根っこを掴まれた状態で枕の上に顔を押し付けられている私は、呼吸さえままならずに、猥雑な嬌声を柔らかな布に吹き込む。
もう片方の稜さんの手は時折思い出したように胸の先を刺激して、きゅっと抓られるたびに、痛みに呻きながらも彼のモノを自分の中が締め付けるのが居た堪れない。
「逃げてんじゃねえよ、弥生」
「や、だ、っ、もう…」
「うるさいな」
ふと、後ろから体を持ち上げられる。
混乱する頭で次は一体どんなことをされるのだろうと怯えながら、それでも従順に稜さんの手に促されるまま彼の上に乗った。
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