Collaboration

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「ほんと理由が子供ですか、相変わらず」 「うるっせえ、餓鬼で悪かったな」 「ビールにします?それとも他のに変えます?」 「まだビールでいいわ」 「そこ、呼び鈴押してください」 向かい側に座るふたりは息ピッタリにそんな会話をしているから、なんだか私のほうが照れてしまう。葉月が恋人と一緒にいるところを見るのは初めてのことだから余計だ。 進藤さんの堀の深い男性的な相貌は男前と呼びたくなるような見た目だし、葉月は相変わらず涼しげで凛とした美人なので、ちょっと狡いぐらいにお似合いだった。 「和泉さんもビールでいいですか?」 「ああ、ありがとう」 「弥生はまだ大丈夫だよね?お肉とか欲しいのあるなら一緒に頼むけど食べます?」 「あ、葉月、俺これ、壺で漬けた肉?食いたい」 「そんな味濃いもの食べるんですか?」 「好きなもん食わせろよ」 濃い味派なんだわ、と面倒臭そうに葉月を一瞥した進藤さんはげんなりとした表情を稜さんに向ける。それに軽く苦笑だけを返して、稜さんはまた新しい煙草に火を点けた。 それから注文を取りに来てくれた店員さんに葉月はテキパキと全員分の注文を済ませ、ざっと開いたお皿も下げてもらっている。相変わらず気持ちの良い手際だ。 「なあ、それ、結構吸うの?」 「今は忙しすぎて本数減ったけど、まあ吸うな」 「アメリカも普通に煙草吸うよな?」 「俺の周りだけかもしんねえけど日本より全然喫煙率高くて、肩身の狭さはねえな」 「だよな、ロシアも世界的にも喫煙率高くてさ」 「正直ありがてえよな」 日本だと年々喫煙者の肩身狭いもんなあ、と言い合うふたりはまるで禁煙を目指している様子がない。その会話を聞く横で葉月と目が合い、お互いに呆れて肩を竦めた。
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