Collaboration

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「絶対死ぬほどモテるだろ、あんなん」 「普段は格好良い大人の男って感じなのに、笑うと少年みたいなの、ギャップ萌えです」 「男の俺すらちょっと良い男だなって思ったわ」 「葉月がベタ惚れなわけですよ」 「あ、葉月ちゃんのほうもすげえ美人だったな」 「だから言ったじゃないですか」 私の友達は世界で一番綺麗で可愛いのだ。 こればかりは身内の欲目を爆発させると決めているので異論は認めない。誰がどう言おうと私の中ではそれが絶対的に正しいので。 「弥生は葉月ちゃんにベタ惚れなわけね」 「自慢の友達ですから」 「まあ賢いよな、面倒見も良いし、あれ長女?」 「そうですよ、弟くんがひとりいます」 「すげえそんな感じするわ」 綺麗なエントランスを抜けてエレベーターに乗り込んだ。中にある端末に部屋のカードキーをかざすと目的階の表示が光り、そのまま扉が閉まる。 今時手頃なビジネスホテルでも随分セキュリティがしっかりしているものだ。ほろ酔いの頭に妙な関心を浮かべながら、チンと軽快な音と共に七階に到着したエレベーターから降りる。 「まあでもあれは転職して正解なんじゃねえの」 「そう思いますか?」 「視野が広くて機転が利くだろ?俺とか結構すぐ斜に構えて格好付けるとこあるけどさ、ああいう貪欲さは見てて気持ちいいよ」 「そう言われると確かにですね」 「頭の回転が速いだけじゃなくて、発想に創造力があるよな。でもそういうのって腰の重い大企業だと持て余しちまうからさ、起業するって選択肢選んだのも頷けた」 「なんか珍しくべた褒めですね?」 「正直今のチームに欲しいよな、あの頭脳」 部屋に入ってすぐベッドに腰を降ろした稜さんは少しだけ酔っているみたいだった。進藤さんのほうもお酒には強いようで、途中からはふたりして日本酒に代えていたせいだろう。
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